…少し変わった、当院のスローガンです。
これは職員みんなで考えた時に、彼らから浮かび上がってきた、職員自身の気持ちを表した言葉です。地域に一つ、ここしかない医療機関として、救急、急性期医療をしっかりと提供し、命を守ること。そして緩和ケア、在宅ケアを行って、看取りまでしっかりと診ること。それが我々の大切な使命です。
時代はどんどん変わります。社会情勢も制度もどんどん変わっています。でも、この地域にとって、必要なことは、それでも変わらずやればいい。当たり前のようで、当たり前でないことがあります。
名誉院長 濵口 實
地域が元気でいるためには、「仕事」、「医療」、「教育」が必要です。この「医療」は、「病気を治すこと」だけでは十分ではありません。地域が活性化し、元気になり、人が集まるようになるためには、安心な地域であること、それを維持すること、それが何より大切です。
高齢化社会は決してマイナスの社会ではありません。ある意味で到達点であり、成熟した社会と言えます。地域によって人口が減ったところでも、最後まで住み慣れた地域で暮らし続けたい人がいます。都会からやってきて、古民家に住み始める若者もいます。別荘の方々もいます。そういった人たちにも、気を配ること。地域を見捨てない、切り捨てないということが大切です。例えばお年寄りをアパートに集めて住まわせればいいという人がいます。しかしそういう事ではありません。個々の患者さんの在宅生活を支えること、それは実はその「地域」の応援をしているという事です。そういう所に目をむける医療が大切です。
諏訪中央病院ではこれからどんどん地域連携を進めていきます。わが国では平成30年から新しい専門医制度が始まります。地域の医療機関との人的交流も含めた深い関係作りを進め、皆で地域を支える体制を作っていきます。
また、当院は若い医療従事者の教育に力を入れています。若い人が、常にこの地域を訪れ、入れ替わっていることが大切です。それが医療のレベルを上げることに繋がり、そしていつか彼らが自らの地域に帰った時は、その地域をよくみて、地域の人と一緒に、地域に必要なことをやっていく医療をする。そういった理念を繋げていってくれると信じています。そして何より地域の住民とのつながりを大切にしていきます。地域の方々のコミュニティを応援していきます。例えば新しく地域にこられた方にとってはボランティアに参加するということは、地域に関わるファーストステップになります。
「あたたかな急性期病院」というスローガンができてもう10年以上になります。病院の方向を大きく決めるときには出てくる言葉じゃないかなと思います。何をどのように考えるか、私たちは何をするべきか。それをこれからも職員みんなで考えて続けていきます。