精神腫瘍科

さりげなくサポートを行うことを心がけています

「がん」に罹患する人は10年前の約2倍(年間約100万人)となりました。男女ともに2人に1人は一生に1回がんと診断される時代です。一方で「がん」によって命を失う人はこの10年でそれほど増えていません(年間約30万人)。がん治療の進歩は格段のものがあるのです。しかしこのことは同時に、「がんと向き合いながら生きる人(がんサバイバー)」が増えていることを意味します(約550万人)。がん医療の過程では、「がん」と診断されたとき、治療中、治療が難しくなったとき、などさまざまな気持ちの揺れが繰り返し引き起こされます。いったん治癒と診断された人でも、常に「まさかの再発」や新たな別のがんへの罹患を懸念して慢性的な緊張が続きます。このような人々の、その時々の悩みに足並みをそろえて「生き方」をともに考えていくのが精神腫瘍医(サイコオンコロジスト)の役割です。このなかで「こころ」偏重にならず、かならず「からだ」との関係において理解する、あるいは「全人的苦痛」の視点を通じて理解し実践していくことを大切にしています。
同時に「介護者の心身の負担や、そのしわ寄せによる心身の疾患の罹患率や重症度は、時として患者さん本人を上回る」という事実から、介護者(主として家族)の心身の問題にも配慮します。
もう一つ、がん診療の場は医療者自身も心身の問題を抱えることもあるため、さりげなくそのサポートを行うことも心がけています。

部長 大中 俊宏

体制・実績等

運営体制 緩和ケア病棟カンファランス(週2回)
緩和ケアチームカンファランス・回診(週1回)
抄読会(週2回)
化学療法部カンファランスへの参加
教育・研修体制 指導の下で
外来患者さんの主治医として対応を行う
入院患者さんの主治医として対応を行う
緩和ケアチームへのコンサルテーションに対応しながら、interdisciplinary teamの活動を学ぶ
認定・資格 日本内科学会認定医, 総合内科専門医
日本心身医学会専門医
日本心療内科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本緩和医療学会暫定指導医
日本サイコオンコロジー学会登録医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医、指導医
実績
26年度に限らず
新設のため過去のデータはない。精神腫瘍科外来紹介、緩和ケアチームを通してのコンサルテーション、緩和ケア病棟入院患者主治医、在宅緩和ケアなど窓口を広げて活動している。

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