病院からのお知らせ

長野日報連載リレーコラム「おらほの病院」⑨が掲載されました

長野日報 朝刊(毎月第1日曜日)での連載 諏訪中央病院リレーコラム『おらほの病院』
9回目となるコラムが5月7日(日)の朝刊に掲載されました。

ご覧になれなかった方は、ぜひ以下よりご一読ください!
(出典:長野日報5月7日(日)掲載分(転載の許可を得ています))


諏訪中央病院リレーコラム
おらほの病院 ~あたたかな医療をめざして~ 第9回

 「がんに負けない健康づくり

  諏訪中央病院名誉院長 鎌田 實


 

がん対策基本法を作って10年。でもがんの死亡率は全国で十分には下がっていません。実は長野県は75歳未満年齢調整後のがん死亡率が全国一低いのです。

長野県のがん検診率は決して高くありません。長野県には単独のがんセンターもなく、特別な治療も行われていません。なのに、がん死亡率が圧倒的に低いのは、健康づくり運動の成果だと思います。

① 減塩

② 野菜摂取量日本一

③ 寒天や高野豆腐等の古い食文化を守る

④ エゴマやクルミ等のいい油をとる

⑤ ウォーキングなどの運動の継続

脳卒中を減らすための生活習慣の改善と、がんを減らすための生活習慣は共通するものが多いのです。たとえば、胃がんと関係の深いピロリ菌は、胃の中の塩分濃度が高いと活性化しやすいといわれています。減塩は、血圧を下げるだけでなく、胃がんを減らすことにつながった可能性があります。

また、野菜の色素は抗酸化力をもち、動脈硬化も防ぎますが、細胞の老化やがん化も防ぐと考えられています。大事なのは、健康にいい生活習慣を続けていくことです。

諏訪中央病院は、地域に開かれた病院を目指し、43年前から健康づくり運動をしてきました。多い年は年間80回も地域へ出ていき、地域の人達と上の5つの課題を掲げ、生活習慣を変えてきました。さらに病院では、200回を超す「ほろ酔い勉強会」を行い、地域の命と健康を守る支援を今も続けています。

今年度のほろ酔い勉強会の第一回は5月16日午後2時。テーマは、「どうしたら脳卒中やがんにならない健康な体を作れるか」

病院は3年がかりで新しい病棟を作り、新しい病院体制を作ってきました。新病院長を中心に、前院長の病院管理者、さらに名誉院長の鎌田も加わって、病院の目指している姿「これからの諏訪中央病院」をお話します。2本立てです。ぜひ聞きに来て下さい。

都道府県別75歳未満年齢調整死亡率推移(2005年~2015年)
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出所:2015 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

次回は平成29年6月4日掲載予定です。

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